「今日の君、いつもより綺麗だ」
微笑む彼の声は、どこか遠くて。
海の匂いと、夜の静けさに紛れて、
少女はそっと目を伏せる。
“触れてしまえば、崩れそうだった。”
戻れない一歩。
それでも踏み出してしまった理由は、
あの夜風が知っている。
/category/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%B3%201%20%3A%20%E6%B2%88%E9%BB%99%E3%81%AE%E4%B8%AD%E3%81%A7%E8%A6%8B%E3%81%A4%E3%81%91%E3%81%9F%E5%A3%B0
第 1話 『夜風がさらうもの』